さようなら!ありがとう!マザーズ指数

IPO市場全体

11月相場入りした本日の日本株市場。
日銀金融政策決定会合をウニャウニャっと抜け、当局者の願いむなしく円安が進行したこともあり、日経平均、TOPIXともに想定以上の大幅高となったわけですが、そんな上昇相場の中でもひとり沈んだのがマザーズ指数・・・

「あー、もうそろそろマザーズ指数なくなっちゃうんだよなぁ。11月6日からグロースナントカ指数に切り替えだっけ?」とぼーっとしていたわけですが、11月6日って3連休明けの月曜日だったんです!マザーズ指数を見られるのはもう明日1営業日を残すのみ!

2003年9月19日の算出開始以来20年の歴史を刻み、数多の個人投資家の損失と涙を飲み込んできた「マザーズ指数」その名称がマーケットに掲げられるのも明日で終わりです
そこで自分の頭の整理を兼ねて、マザーズ指数の廃止で一体何が変わるのかをさくっとまとめてみたいと思います。

変更点(マザーズ指数の廃止で何が変わるのか?)

いきなり結論になるのですが、実際のところ「何も変わりません」呼び名が「東証グロース市場250指数」に変わるだけです。その理由は以下解説↓

東京証券取引所(以下、「東証」)は2022年4月4日に上場市場の再編を実施。その際、マザーズ市場自体が消滅し、東証グロース市場が新興企業、成長企業の新たな受け皿として設立されたのはご承知の通りです。
東証はグロース市場の設立に伴う新指数「グロース市場指数」の算出開始に合わせ、マザーズ指数を廃止する方向で検討していたのですが、指数の過去からの連続性を重視する市場参加者から継続を希望する声が相次いだため、「マザーズ市場」はなくなったのに「マザーズ指数」は存在し続けるという不思議な状況なってしまいました。

ただ東証も、消滅した市場の名前を残したお墓のような指数をダラダラと算出し続けるわけにはいきません。
そもそもマザーズ指数は、旧マザーズ市場に上場していた全銘柄(マザーズ市場消滅前で424銘柄)を時価総額加重平均(時価総額がでかい順に組み込む)で算出した指数だったので、投資対象とはとても考えられないお先真っ暗のゾンビ銘柄も組み入れられていました。
そこで東証は、市場再編に合わせて「マザーズ指数を、グロース市場全銘柄のうち時価総額が大きい主力250銘柄に絞った指数に変身させます。それを2023年11月6日から「東証グロース市場250指数」という名前に変えます」という大きなルール変更を決断したのです。

そのため424銘柄から250銘柄に絞り込む必要が出てきたわけですが、新指数算出から漏れる100社以上をいきなりぶった切ると、マザーズ指数を存続させたそもそも理由である指数の「連続性」がグチャグチャになってしまいますので、東証は以下の3つの行程で、指数算出対象から漏れる銘柄を段階的に外していくことにしました。

2022年10月最終営業日 もともとの指数構成比率×0.67(指数への影響を3分の2にしますよ)
2023年1月最終営業日  もともとの指数構成比率×0.33(3分の1にしますよ)
2023年4月最終営業日  もともとの指数構成比率×0(完全に外しますよ

以上を読んでいただければ分かる通り、現在のマザーズ指数は、今年の4月末時点で、算出対象銘柄をぐっと絞った指数にすでに生まれ変わっていて、あとは明日11月2日の大引け後に「マザーズ指数」という名前を捨てるだけの状態になっていたわけです。

コロナショックによる急落から現在までのマザーズ指数週足チャートに、上記3段階の組入比率調整日を入れ込んでみましたが、有意な差は残念ながら見当たらず、2020年10月のコロナ後高値から延々と下がり続ける悲しい景色が見えるだけでした・・・

我らがマザーズ指数が、東証グロース市場250指数に看板を架け替えたところで、ファンダメンタルズに何の影響もないことが良く理解できる投稿になってしまいました🥺

今後注目すべきは

①今年10月24日のザラ場安値618.70を下回らないこと
②そこを割ったとしても2022年6月20日のザラ場安値607.33を下回らないこと


の2点です。
②も割れるとなると、2020年コロナショック後のザラ場安値527.30までまっしぐらになる可能性が強まります。シートベルトをしっかり締めて、警戒モードで市場に対峙していきましょう。

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